イグナロ博士のインタビュー
一酸化窒素と聞けば、多くの人が体に悪影響を及ぼすと考えるだろう。
ところが、この一酸化窒素(NO)は、体内にも存在し、しかも多くの利点を持つ健康に欠かせない活性物質ということを御存知だろうか?
今回来日を果たしたイグナロ博士は1998年に、このNOが持つ働きを解明し、ノーベル医学・生理学賞を受賞した。

人類にとって大きな貢献を果たす研究ということが評価されたのだ。イグナロ博士に、この大きな可能性をもつNOについて語っていただいた。
NOが持つ体内での重要な働き
「NOは、非常にユニークな物質なんですね。体内でさまざまな働きをするのですが、もっとも重要なものは、循環器系を守ると言う事です。
具体的には、血管拡張作用があり、血圧を下げる助けをします。また、体内のあらゆる臓器への血流を良くし、動脈硬化を防ぐと言う働きもあります。
従って、脳卒中や心筋梗塞なども予防する事につながるんです。
さらにNOは、信号伝達物質としての働きから、脳にあっては、記憶、学習、認知という面にプラスの作用を果たし、EDやアルツハイマー病などにも、良い影響を及ぼすと考えられています
このNOは、体内でL-アルギニンやL-シトルリンと言うアミノ酸から産生される為、NOを高いレベルに保つためには、肉などのたんぱく質を多く摂取する必要がある。
しかし、脂肪分の多い肉を大量に摂取する事は、悪玉コレステロール値の上昇など、生活習慣病を招く危険性もある。
では、どのようにすればNOレベルを高く保てるのだろうか?
「答えは非常に簡単なのですが、実行に移すことが
まず、健康的な食生活の中で重要なのは、NOの原料となるアルギニンを多く含む良質なたんぱく質と多くの抗酸化物質が含まれている食品を摂ると言う事です。
同時に、できるだけ脂肪の摂取を抑えるということ。脂肪の中でも特に悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸を最小限にとどめる事が大切です。おすすめの食品は、魚類、皮を除く鶏肉、果物野菜、大豆製品、穀物ですね。」
博士自身も、週5日、朝食は全粒粉のパンかシリアル、昼食はたっぷりの果物、夕食は魚と野菜という実にヘルシーな食生活を実践している。
「次に第2の運動ですが、運動をする事でNOレベルを上げるという事が、実験でも。証明されています。人それぞれ、年齢や体格も違いますので一概には言えませんが基本的には1日20分以上、心拍数が毎分100を超える運動を少なくとも週3回、出来れば週6日続けることですね。ジョギングやウォーキング、自転車や水泳などの有酸素運動が適しています。」と言うイグナロ博士。
実は博士は、今年65歳になるがフルマラソンを走るアスリートでもある。
「2年半前に初めてマラソンを走り、現在まで10回、フルマラソンに出場しています。次の参加予定は、12月なんですよ。」
そのため、来日中もトレーニングは欠かせない。
「よく、忙しくて食生活に気をつける余裕も運動をする時間もないと言う人がいますね。私自身、医学部の教授ですし、ノーベル賞受賞者と言う事で世界各地に招かれて講演をし、家庭も持っています。日々多忙ですが、1日3時間運動をしています。私が出来るのであれば、誰でも1日20分位の時間は作れると思います。」と、耳の痛いご指摘。そして、食生活で補う事の出来ない場合、第3の鍵、サプリメントが重要になってくる。
まず第1が健康的な食生活。そして、第2は定期的に運動。そして、第3にサプリメントで栄養を補充すると言うことです。

